数年前の冬の事
家族で某沖縄有名歌手・
夏川○みのコンサートへ
コンサート会場の駐車場に到着 ..
コンサート開始までは約40分の余裕があった.
晩ご飯がまだだった私達は、
車の中で妻のお手製のおにぎりを...
各々、シャケ・梅干・コンブ...を手に
すると息子
「腹減ってない!!」
妻「今、食べないと後で食べれないけど、いいの?」
息子「いい!!」
妻「ホントにいいの?」
息子「いいって言ったらいいっ!!」
息子を除く3人は自分の割り当てのおにぎりを...
食事を終え、いよいよコンサート会場へ...
行列に混じり、いそいそと会場の中へ
やはり混んでいる
一旦、座ったら動けそうもない...
とりあえずスタンバイOK
曲が鳴り始め・・・某沖縄系有名歌手夏川り○登場..
「おー!!」 歓声!
拍手!
突然、息子...
「腹減った!」
私「えーっ!腹減ったって言われても!!」
息子「おにぎり持ってきた!」
息子はおもむろに上着のポケットから
ラップに包まれたおにぎり(シャケ)を取り出した
息子「これ食っていい?」
私「ダメでしょ!ここでは...」
その会場は飲食禁止だったはず
息子「どーしよ!腹減って死にそう...」
私「じゃ、ここに隠れて食べろ」
息子は私の指示通り、私のいう指定の場所にしゃがみ込む
娘・・その動作を見逃さなかった
弟に厳しい姉
小さな目で
ギョロッ! 弟をロックオン
「何やってんの!!」
息子「ん?ちょっと、おにぎり...」
娘「恥ずかしいからやめろ!」
息子はすごすごと定位置に戻る
娘・・・弟には厳しい
息子・・・おにぎり(シャケ)を見つめる
じーーっと...
そして、そのおにぎりを鼻にあて、
匂いを嗅いでいた...
ちょっと、可愛そうになった私は
息子と席を替え、娘と中1個おくように座り直し、
再チャレンジをさせる。
息子・・指定の場所にしゃがみこ・・・
と!っ
矢先..
「やめろったら・・やめろ!!
見っともねーしっ!
だから、さっき
食ってりゃ良かったんじゃねーの!」
べらんめ口調である
息子はまたもや、すごすごと定位置に戻る
そして、おにぎりを愛しむように・・・
摩る ・・嗅ぐ
見つめる・・摩る ・・嗅ぐ
愛しむように...
宝物のように..
さながら、この宝物具合は
いつも大事にしているセミの抜け殻をはるかに凌いでいた。
その後、息子に再チャレンジのチャンスは
訪れる事はなかった
見つめる・・摩る ・・嗅ぐ
頬に当てる...
見つめる・・愛しむ・・摩る ・・嗅ぐ
問いかける
この一連の行動が
コンサート終了まで繰り返し続く事となったのだ